第 5 章:
[ライセンス管理] の使用法
[ライセンス管理] を使って、システムを立ち上げて稼働させた後でインストールする追加製品のライセンスを取得し登録します。多くのアドオン製品では、インストール中にライセンス情報の入力を要求するプロンプトが表示されます。追加メモリをサポートする機能や、SCO アップデートサービス利用ライセンスなど、一部の製品はインストールするのではありません。インストールする代わりに、新規ライセンスを入力することで使用可能になります。
この章では、インストール直後に [ライセンス管理] を使って行う作業について説明します。詳細については、オンラインヘルプ http://localhost:8458 を開き、「Installation and Licensing」をクリックすると参照できます。
[ライセンス管理] の起動方法
root ユーザ (またはシステム所有者) でログインし、以下のいずれかの方法を使って [ライセンス管理] を起動します。
- コマンド行で scoadmin と入力します (あるいは、CDE デスクトップまたは Panorama デスクトップで SCOadmin を起動します)。SCOadmin メニューの [ライセンス管理] を選択します。
- コマンド行で scoadmin license と入力します。
scoadmin コマンドで認識されるスペリングは「license」だけです。「licence」は認識されません。
[ライセンス管理] を起動すると、システムに現在インストールされているソフトウェア製品が表示されます。
製品ライセンスの取得
新しい製品ライセンスを入力するには、[ライセンス管理] のメイン画面で以下のように操作します。
1. [ライセンス] - [追加] コマンドメニューを選択します。
2. ライセンス情報を入力します。
3. [ライセンス] をクリックします。
[ライセンス管理] のメイン画面に新しいライセンスが表示され、この時点で該当するソフトウェアが使用可能になります (SCO アップデートサービス利用ライセンスは例外です。SCO アップデートサービス利用ライセンスはライセンスを登録し、[ライセンス管理] に登録キーを入力するまで使用可能になりません)。
すべての製品を忘れずに登録してください。システムソフトウェアによって、まだ登録されていない残りの製品が表示されます。ライセンスを取得済みまたは登録済みのソフトウェアを特定するには、、[ライセンス管理] の [表示] メニューコマンドを使用します。詳細については、「製品の登録」を参照してください。
ライセンスの取り消し
ライセンスを取り消すには、[ライセンス管理] のメイン画面で、そのライセンス製品を選択し、[ライセンス] - [取り消し] コマンドメニューを選択します。そのシステム上ではその製品の機能は使用できなくなります。
製品の登録
インストールしたソフトウェア製品を登録する利点については、「登録」に説明があります。以下の手順に従って、インストールした製品をすべて登録してください。
UnixWare 7 のエディションライセンスは、他の製品をシステムにインストールする前にインストールする必要があるので注意してください。SCO アップデートサービス利用ライセンスがある場合は、UnixWare 7 のエディションライセンスの代わりに登録できます。SCO アップデートサービス利用ライセンスを登録することにより、エディションライセンスは SCO アップデートサービスに従って自動的に登録されます。製品ライセンスの詳細については、「ソフトウェアのライセンス」を参照してください。
1. [ライセンス管理] を起動します。「[ライセンス管理] の起動方法」を参照してください。[ライセンス管理] では、インストール済みライセンスのリストが表示されます。
2. 以下のいずれかの方法で、[登録] 画面を表示します。
3. [ライセンス管理] に、手順 2 で選択したライセンスの登録ロックが表示されます。また、登録ロックが記載されているファイル /var/sadm/install/default で指定されたログインにメールが送�®されます。
メールの Subject: 行には、選択したライセンスのシリアル番号 ([ライセンス管理] の [登録] 画面の [ライセンス番号]) が記載されます。メールの内容には、登録 Web サイトの URL がライセンスの登録ロックを格納したクエリに添付 (アタッチ) されています。詳細は手順 4 で説明しますが、[ライセンス管理] の [登録] 画面に入力する必要がある登録キーを取得するために、この登録 Web サイトにアクセスする必要があります。登録 Web サイトから登録キーを取得するまでの間、[登録] 画面は開いたままにしておく方が良いでしょう。
4. 以下のいずれかの方法で、登録 Web サイトにアクセスします。
オンラインの製品登録フォームの記入完了時に、登録キーは自動的に画面に生�®されます。
- Web 対応の電子メールの表示用アプリケーションの場合、メールを読んでライセンスのシリアル番号が記載されているメッセージを探します。メールに記載されている URL をクリックすると、登録 Web サイトに直接アクセスします。この方法は、登録ロックを使って登録フォームを入力する場合にも応用できます。複数の製品を登録する必要がある場合には、この電子メールによる方法を使用することをお勧めします。
- ブラウザウィンドウを開いて、http://www.sco.com/support/registration にアクセスします。画面に表示される説明に従って、ユーザアカウントを作�® (または現在のアカウントを使ってアクセス) し、登録する製品を選択します。製品登録フォームに必要な情報をすべて入力します。ライセンスを取得した製品の登録ロックを [ライセンス管理] (または電子メール) からマウス (またはキーボードコマンド) を使ってコピーします。あるいは、Web サイトの [Browse] ボタンを使って、ローカルシステムの /var/netls/reginfo.db ファイルを選択し、Web サイトにダウンロードします (このファイルには、[ライセンス管理] の [ライセンス] - [登録] を使って最後にアクセスした製品の登録ロックが記載されています)。
5. 該当製品の [登録ロック] 画面がまだ表示されている場合、 [登録ロック] 画面の該当するボックスに登録キーを入力します。それ以外の場合、登録キーを取得した製品を選択し、[ライセンス] - [登録] をクリックします。該当するボックスに登録キーを入力し [OK] をクリックします。
これで、製品の登録は完了です。
SCO Update Enabling License を登録すると、アップデートライセンスがアクティブにされ、SCO アップデートサービスを使って Web からソフトウェアアップデートを入手できるようになります。
システム上のすべての製品の登録が完了すると、登録を促すメッセージは表示されなくなります。
注意: ソフトウェアは、オペレーティングシステムをインストールするたびに、新しいシステム ID を生�®します。システムを再インストールした場合には、登録作業をやり直して、新しい登録キーを取得する必要があります。
ライセンスの取得と登録に関するトラブルシューティング
ライセンスの取得と登録に関する一般的な問題を以下に示します。
- [ライセンス管理] が登録キーを受け付けない場合
- [ライセンス管理] がライセンス情報を受け付けない場合
- ライセンスの有効期限が切れた場合
- マシン上にユーザライセンスがない場合
- ポリシーマネージャが停止した場合
[ライセンス管理] を起動するには、TCP/IP も設定して稼働させる必要があるので、注意してください。インストール中にネットワークの設定を延期した場合、シェルプロンプトで scoadmin network と (root ユーザで) 入力して、[ネットワーク設定管理] を起動します。ネットワークカードを設定し、TCP/IP を設定して起動します。
[ライセンス管理] が登録キーを受け付けない場合
登録キーが無効な場合や、間違って入力された場合には、エラーメッセージが表示されます。登録キーが正しく入力されており、間違ったシステム ID が入力されていないことを確かめます。正しく入力されていてもエラーメッセージが表示される場合には、ライセンスを発行した組織に問い合わせ、登録キーが正しいものかどうか確認してください。
[ライセンス管理] がライセンス情報を受け付けない場合
入力したライセンス情報が正しいことを確認します。文字が判読し難い場合もあります。
新しいエディションライセンスまたは SCO Update License を入力している場合、ライセンスのコールバック指定子と登録指定子が完全一致することも重要です。この 2 つの指定子はライセンス情報のライセンスデータ部分の、文字「k」と「q」の後に記載されています。この 2 つの文字の後の数字が一致していない場合、新しいライセンスは拒否されます。新しいライセンスを発行した組織に連絡してください。既存のライセンス情報を用意して、適切なライセンスを発行できるようにしてください。
ライセンスポリシーマネージャデーモン (ifor_pmd) が中途終了した場合
ポリシーマネージャデーモンが停止した場合、次のメッセージが表示されることがあります。
The Licensing Policy Manager Daemon (ifor_pmd) has terminated and been restarted. This is a normal occurrence only when a license is removed with the License Manager utility. If this is not the case, your system may have a problem which could lead to undesirable behavior. Contact your service provider if you suspect that there is a problem.No user licenses were found on this machine. Please boot single- user and correct this situation. Licensed software will not operate until user licenses are installed. The License Policy Manager Daemon (ifor_pmd) was unable to start. This is usually due to a read-only root filesystem, lack of user licenses or a damaged program image file (/etc/ifor_pmd). If this is not the case, please contact your service provider.ポリシーマネージャデーモンは、システムのライセンス状況を監視するバックグラウンドプロセスです。すでに有効期限の切れている評価用ライセンスを使用している場合には、上記のメッセージが表示されます。ソフトウェアサプライヤに連絡し、ソフトウェアのライセンスを取得してください。評価用ライセンスを使用していない場合は、「ポリシーマネージャが停止した場合」を参照してください。
ライセンスの有効期限が切れた場合
[ライセンス管理] が、オペレーティングシステムの有効期限が切れたことを示しているときは、date(1) コマンドを実行して、システムクロックをチェックします。日付が間違っている場合は、root ユーザ (あるいは、システムの所有者) でログインし、次のコマンドを入力します。
setclkこのコマンドは、バッテリーを電源とするハードウェアクロック (CMOS) の時間でシステム時間を更新します。それでも時間が正しくない場合は、dateコマンドを次の形式で実行し、システムクロックを更新します。
date MMDDhhmmYYここで MMDDhhmmYY は、月−日−時−分−年の形式の正しい日付です。例えば、1997 年 8 月 31 日午前 9 時 31 分は、次のように入力します。
0831093197クロックタイムを現在の時間に変更したら、システムをリブートして [ライセンス管理] を起動し、ライセンスが「有効期限切れ」から「はい」に変わったかどうかを確かめます。オペレーティングシステムのライセンスは、ライセンスで規定された範囲内で完全に有効になっているはずです。
製品のライセンスの有効期限のチェック
ライセンスの有効期限は、[ライセンス管理] 画面の「ステータス」に表示されています。有効期限が切れそうになると、「Valid Until date」というメッセージが表示されます。
マシン上にユーザライセンスがない場合
No user licenses were found on this machine. Please boot single user and correct this situation. Licensed software will not operate until user licenses are installed. The License Policy Manager Daemon (ifor_pmd) was unable to start. This is usually due to a read-only root filesystem, lack of user licenses or a damaged program image file (/etc/ifor_pmd). If this is not the case, please contact your service provider.一般にこのエラーメッセージは、システムクロックの日付が大幅にずれている場合に表示されます。また、ユーザライセンスがない場合や、ポリシーマネージャデーモン (/etc/ifor_pmd) が破損しているときにも表示されることがあります。詳細については、「ポリシーマネージャが停止した場合」を参照してください。
ポリシーマネージャが停止した場合
アプリケーションがライセンスエラーを報告するが、そのような状態が起こるはずがない場合、ポリシーマネージャデーモン /etc/ifor_pmd が、中途終了し再起動できないか、あるいはポリシーマネージャがログイン要求を処理するのに必要なファイルが存在しないか、破損している可能性があります。
ログアウトされてしまい、トラブルシューティングのためにログインしようとしてもログインできないことがあります。また、他のエラーメッセージが表示されることもあります。そのような場合には、システムの電源を切り、リブートしてください。システムが立ち上がった時点でまだエラーが表示される場合は、以降で説明する手順に従ってください。
- バイナリファイル /etc/ifor_pmd が破損しているか、存在しない
- 重要なファイルやディレクトリが存在しない
- ルートファイルシステムが読み取り専用でマウントされている
- ユーザライセンスが存在しないか、ライセンスを使い切っている
バイナリファイル /etc/ifor_pmd が破損しているか、存在しない
システムが正常に動作するためには、ポリシーマネージャ（/etc/ifor_pmd）が存在し、稼働していなければなりません。/etc/ifor_pmd ファイルが存在しないときは、バックアップからリストアします。
重要なファイルやディレクトリが存在しない
ディレクトリ /pmd またはその内容、名前付きストリームパイプ IPCCT_pipe、PMDCT_pipe、LST_pipe、およびファイル ifor_pmd.pid が破損しているか、存在しません。
/pmd は存在するが、そのファイルコンテンツのいずれかが存在しない場合、/etc/ifor_pmd を停止して再起動すれば、リストアできることがあります。このためには、以下の手順を実行します。
1. 次のコマンドを入力します。
ps -ef | egrep -e ifor_ -e sco_ | grep -v egrepこのコマンドを実行すると、次のような行が出力されます。
root 72 70 TS 80 0 Nov 26 ? 0:00 /etc/sco_cpd root 69 1 TS 70 0 Nov 26 ? 0:00 /etc/ifor_pmd root 73 70 TS 80 0 Nov 26 ? 0:01 /etc/ ifor_sld root 70 69 TS 80 0 Nov 26 ? 0:03 /etc/ ifor_pmd第 3 フィールドに 1 (親プロセスの ID) があるエントリを除き、表示される数値はシステムによって異なります。このエントリは ifor_pmd の「親」のコピーであり、他のエントリは「子」になります。子の親プロセス ID は、親プロセスのエントリの第 2 フィールド (プロセス ID) と一致します。
2. ifor_pmd の子プロセスを強制終了します。この例では、次のコマンドを入力します。
kill 703. 少し間を置いて、ps コマンドをもう一度実行します。新しい子プロセス、ifor_pmd が稼働しているはずです。
4. /pmd ディレクトリの内容を調べます。次の4つのファイルがあるはずです。
IPCCT_pipePM DCT_pipe LST_pipe ifor_pmd.pidこれでもライセンスの問題が解決しない場合は、手順 1 のコマンドで出力されたすべての子デーモンを強制終了し、/pmd ディレクトリの内容を削除してから、次のコマンドを入力します。
/etc/ifor_pmdルートファイルシステムが読み取り専用でマウントされている
これは、ポリシーマネージャに関連する問題の一般的な原因となっています。この場合には、ポリシーマネージャのエラーに加え、ルートファイルシステムに対する多数の書き込みエラーメッセージが表示されます。
[ファイルシステム管理] を実行すれば、ルートファイルシステムが読み取り専用でマウントされているかどうかわかります。「アクセスモード」がメイン画面に表示されます。これが問題の原因であれば、マウント構�®を「読み取り／書き込み」に変更します。
ユーザライセンスが存在しないか、ライセンスを使い切っている
まず、何人のユーザがシステムにログインしているか調べます。ユーザは、個々のキーボードあるいはネットワーク経由でのログインとして定義されます。ユーザ数がシステムで取得しているライセンス上のユーザ数を超えている場合、エラーメッセージを回避するには、追加のユーザライセンスを購入し、ユーザライセンスを追加する以外に方法はありません。
ログインユーザ数がライセンス上のユーザ数を超えていない場合には、ライセンスデータベースが壊れている可能性があります。以下の手順に従って、システムにユーザライセンスを適用し直します。以下の手順では、ユーザライセンスは UnixWare 7 の「Certificate of License and Authenticity」によってのみ提供されているものとします。別のユーザライセンス製品により、追加ユーザライセンスをすでに取得している場合には、まずそのライセンス製品に以下の手順を適用します。
1. wall(1M) コマンドを使用して、すべてのユーザにシステムからログオフするように通知します。
2. すべてのユーザがログオフしたら、[ライセンス管理] を起動します。[表示] メニューコマンドを使って、UnixWare 7 エディションライセンスとユーザライセンスパックのすべてのライセンス情報を表示および記録します。
3. 追加のユーザライセンスパックがインストールされている場合、各ライセンスを選択し、[ライセンス] - [取り消し] コマンドメニューを選択することにより、取り消します。
4. すべてのユーザライセンスパックを取り消した後で、UnixWare 7 エディションライセンスを選択し、[ライセンス] - [取り消し] コマンドメニューを選択します。
5. [ライセンス] - [追加] コマンドメニューを選択することにより、UnixWare 7 ライセンスを再度取得します。UnixWare 7 エディションライセンスのデータを再入力します。
6. [ライセンス] - [追加] コマンドメニューを選択することにより、すべてのユーザライセンスパックを再適用します。
7. 「重要なファイルやディレクトリが存在しない」で説明した grep コマンドを実行し、ポリシーマネージャデーモンが稼働しているかチェックします。/etc/ifor_pmd プロセスの稼働中のインスタンスが 2 つなければ、次のコマンドを入力してポリシーマネージャを再起動します。
/etc/ifor_pmdgrep コマンドを再度実行し、ifor_pmd プロセスの稼働中のインスタンスが 2 つあることを確かめます。
8. ログイン可能になったことをユーザに通知します。